年金財政について

公的年金の財政はどうなっているの?

毎年の支出を毎年の収入で賄う賦課方式を基本としつつ、一定の積立金を保有しそれを活用する方式となっています。毎年度、保険料や国庫負担(基礎年金の1/2)の他、積立金の運用又は取崩しで給付を賄います。

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公的年金の財政は、各年度の給付をその年度の収入で賄う賦課方式を基本としつつ、一定の積立金を保有しそれを活用する財政方式となっています。
収入は毎年度の保険料、基礎年金に対する1/2の国庫負担、積立金の運用又は取崩しです。これで支出である年金の給付を賄います。
厚労省資料「年金制度のポイント 平成29年度」P36によると、平成29年度予算で、保険料は37.2兆円、国庫負担は12.5兆円、これに対し、年金給付は55.0兆円です。その差は5.3兆円になりますが、これは積立金で対応します。
なお、厚労省資料「平成28年度 年金積立金の運用状況」P2によると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で管理する積立金と年金特別会計で管理する積立金を合わせた積立金合計は平成28年度末で153.4兆円であり、GPIFの運用などで、平成28年度には7.9兆円の運用収益がありました。ちなみに、平成13年度の運用開始以来の累積収益額は64.4兆円となっています。
必要に応じ賦課方式と積立方式といわれるけど、どう違うの?をご覧ください。

賦課方式と積立方式といわれるけど、どう違うの?

賦課方式は各年度の給付をその年度の保険料で賄う財政方式です。加入強制が行われる公的年金で用いられます。将来の給付に備えてお金を事前に積み立てる積立方式は私的年金や個人年金で用いられます。

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年金の財政方式を大別すると、賦課方式と積立方式があります。両者は概念上の違いであり、実際上は2者択一ではありません。
賦課方式は、各年度の給付をその年度の保険料などの収入で賄う方式です。純粋な賦課方式では、積立金は持ちません。毎年度確実に保険料が確保される必要があることから、加入強制が行われる公的年金で用いられる方式です。加入強制が不可能な民間の年金では不可能な方式でもあります。諸外国でも公的年金は賦課方式によるのが通常です。
積立方式は、将来の給付に備えてお金を積み立てる財政方式です。給付の財源として積立金ができますので、加入強制ができない私的年金や個人年金はこの方式によるのが通常です。
賦課方式では、賃金や物価が変動しても、給付がスライドするとともに、それらの変動に伴って保険料収入も増減し、安定的に運営することが可能と考えられます。しかし、負担する世代と受給する世代の人口バランスが変化すると、世代間で給付と負担の不均衡が起こりやすい方式でもあります。
一方、積立方式では、将来の給付が積立金として確保されますので、人口バランスが変動してもあまり関係ありません。しかし、積立金がインフレや株価下落などで減価するリスクがあります。
すなわち、賦課方式は、経済変動には強いが人口変動に弱い、逆に、積立方式は、人口変動には強いが経済変動に弱い、概念上はこのようにいうことができます。ただし、そもそも年金は、時々の経済的成果の一部を振り向けるものです。そのことからすると、財政方式によって年金の持続性が左右されるというものでは、基本的にはありません。

積立金があるのに賦課方式とはどういうこと?

積立金を持たず、その時の支給に必要な額をその都度調達するのが本来の意味での賦課方式です。日本の公的年金には相当額の積立金がありますので、修正賦課方式といわれることがあります。

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年金の財政方式を大別すると、賦課方式と積立方式があります。両者は概念上の違いであり、実際上は2者択一ではありません。
賦課方式は、各年度の給付をその年度の保険料などの収入で賄う方式です。純粋な賦課方式では、積立金は持ちません。
日本の公的年金においては、従来は、5年ごとに財政再計算を行い、最終的に必要と見込まれる水準に向かって保険料(率)を段階的に引き上げていく方式が採られてきました。これを段階保険料方式といいます。このように将来を展望しつつ徐々に保険料(率)を引き上げてきたことから、かなりの額の積立金を保有するに至っています。
したがって、日本の公的年金の財政方式は、純粋な賦課方式ではなく、修正賦課方式といわれることがあります。
厚労省資料「平成28年度 年金積立金の運用状況」P2によると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で管理する積立金と年金特別会計で管理する積立金を合わせた積立金合計は平成28年度末で153.4兆円です。ちなみに、GPIFの運用などで、平成28年度には7.9兆円の運用収益がありました。平成13年度の運用開始以来の累積収益額は64.4兆円となっています。

基礎年金の1/2は国庫負担なの?

昭和60年に基礎年金が制度化された際に国庫負担は基礎年金の1/3になりました。平成21年度から国庫負担割合は1/2に引き上げられ、平成24年の社会保障・税一体改革でこの割合が恒久化されました。

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基礎年金は全国民共通の年金であり、公的年金の1階部分を構成する最も基本的な年金です。そこで、充実した基礎年金の給付水準を確保し、年金財政の安定を図るといった観点から、給付費の1/2は国庫負担とされています。
この国庫負担割合は、かつて1/3でしたが、平成16年の年金制度改正で、平成21年度から1/2に引き上げられることが法律上規定されました。しかし、このための安定的な財源がなかったことから、当面はつなぎ国債(年金特例公債)などで賄われました。平成24年の社会保障・税一体改革において、消費税率が5%から8%に引き上げられるのに伴い、これを基礎年金に対する国庫負担引き上げに充当することにより、将来にわたって1/2の国庫負担を確保することが可能となりました。

財政検証って何?

向こう100年にわたる人口の見通しをもとに一定の経済前提を置き年金財政がどのようになるのかを示すのが財政検証です。少なくとも5年ごとに実施されることになっています。いわば年金財政の定期健康診断です。

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年金財政を将来にわたって維持していくため、従来は、5年ごとに財政再計算を行い、最終的に必要と見込まれる水準に向かって保険料(率)を段階的に引き上げていく方式が採られていました。これを段階保険料方式といいます。
日本では世界に類を見ない少子高齢化が進行しています。そのような中でも将来にわたって年金の持続性を確保するため、平成16年の改正で、将来の保険料(率)の上限をあらかじめ法定し、その範囲内で給付を賄う方式に改められました。
新たな方式では、向こう100年にわたる人口の見通しと一定の経済前提を置き年金財政がどのようになるのか明らかにします。そして、保険料(率)の上限の範囲で年金の持続性が確保できるかどうか、チェックします。
かつての財政再計算は、5年ごとの保険料(率)引上げのために行われていました。これに対し、それを前提とせず、単にチェックするために行うのが、財政検証です。
財政検証も少なくとも5年ごとに行うことが定められています。平成16年の改正の5年後である平成21年に、最初の財政検証が実施されました。そして、さらに5年後の平成26年にも実施されました。
このように定期的に年金財政の持続性をチェックすることから、年金財政の定期健康診断ともいわれます。
財政検証に関して詳しくは、厚生労働省ホームページの「将来の厚生年金・国民年金の財政見通し」に掲載されている各種資料をご覧ください。

財政検証って何をチェックするの?

今後マクロ経済スライドにより厚生年金の所得代替率は徐々に低下します。これが50%を維持できるかどうかをチェックするのが目的です。経済が良好なら可能ですが、そうでなければ割り込むことが示されています。

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日本では世界に類を見ない少子高齢化が進行しています。そのような中でも将来にわたって年金の持続性を確保するため、公的年金の保険料(率)の上限が法定されており、その範囲内で給付を賄う方式が取られています。
保険料の範囲内で将来にわたる給付を賄っていくため、給付水準を調整する必要があります。このためにマクロ経済スライドが行われています。
財政検証では、向こう100年にわたる人口の見通しと一定の経済前提を置き年金財政がどのようになるのか明らかにします。そして、保険料(率)の上限の範囲で年金の持続性が確保できるかどうか、チェックします。持続性が確保できるかどうかのメルクマールが、将来にわたって厚生年金の所得代替率50%以上を維持できるかどうかです。
厚生年金においては、モデル年金額(夫が40年間平均的な報酬水準で勤務した世帯における夫の老齢厚生年金と夫婦2人の老齢基礎年金を合算した額)の、男性厚生年金被保険者の平均的な標準報酬額(公租公課を控除した手取り額)に対する比率が50%以上となるような給付水準を将来にわたり確保することとされています。仮に将来、次期財政検証までの間、すなわち、5年以内に50%を下回ることが見込まれることとなる場合は、政府は、給付と負担にあり方について検討の上、所要の措置を講ずることが規定されています。
直近の財政検証である平成26年財政検証の結果を見ると、労働参加が促進される経済前提の場合は、将来にわたって50%が確保されますが、そうでなければいずれこれを割り込むことが示されています。
必要に応じマクロ経済スライドって何?所得代替率って何?をご覧ください。

どうやって将来を見通すの?

人口や労働力率から被用者の数を推計し、推計の出発時点の報酬額と賃金上昇率などから保険料収入や運用収入を求め、また将来の年金支出額を求めることにより、公的年金の収支見通しを作成します。

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財政検証は、向こう100年にわたる年金財政の姿を明らかにするものです。年金財政の将来見通しに必要なのは、将来の被保険者数と受給者数、そして、保険料収入、運用収入、年金給付支出です。これらを導き出すためには、人口の見通しと経済の前提が必要です。
人口については、国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに公表する「日本の将来推計人口」に準拠します。経済前提については、財政検証の都度、専門家による議論と検討に基づいて設定します。
直近の財政検証である「平成26年財政検証」では、人口については、「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」が使用されています。経済については、平成35年度までは、内閣府「中長期の経済財政に関する試算(平成26年1月20)」に準拠し、その後は、マクロ経済に関する試算に基づいています。
将来の厚生年金被保険者数は、人口中でどれくらい労働参加が進むかにかかっています。これに関する労働力率の前提は、(独)労働政策研究・研修機構の「労働力需給推計」(平成26年2月)」に準拠しています。
このような枠組みをもとに、経済前提としては、大別して「労働参加が進むケース」と「労働参加が進まないケース」の2つに分かれています。そして、将来の技術進歩等に関する幅広い条件を軸に、合計8通りのケースが設定されています。
推計の出発時点は直近の国民年金・厚生年金の実績値です。将来の被保険者数と賃金上昇率や経済成長率などから保険料収入や運用収入を求め、また将来の年金支出額を求めます。これにより、将来における公的年金の収支見通しを作成します。

財政検証では、人口はどんな前提になっているの?

人口は国立社会保障・人口問題研究所の将来推計を用いています。出生と死亡について高位・中位・低位の3つの仮定がありますが、これからも少子高齢化は続き、日本の総人口は徐々に減少すると見込まれています。

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人口については、国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに公表する「日本の将来推計人口」に準拠します。直近の財政検証である「平成26年財政検証」では、「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」が使用されています。この推計では、平成22(2010)年の国勢調査を出発点とし、50年先までの平成72(2060)年までの推計を行うとともに、その後前提を一定にした参考推計として、平成122(2110)年までの数値が公表されています。
推計に当たっては、出生と死亡について高位・中位・低位の3つの仮定が置かれています。出生については、合計特殊出生率(1人の女性が平均して生涯何人の子を出産するかという指数、平成26年は1.42)を、中位で1.35、高位1.60、低位1.12と設定するなどの前提が設けられています。死亡については、平均寿命(平成26年は男80.50年、女86.83年)が、平成72(2060)年で、中位で男84.19年、女90.93年などの前提が設けられています。
いずれのケースでも人口の少子高齢化が続き、総人口は出生・死亡中位で、平成60(2048)年に1億人を割り込み、平成72(2060)年に8,674万人になると見込まれます。そして、平成122(2110)年には、4,286万人となっています。
65歳以上人口の比率は、平成36(2024)年に30%を超え、平成72(2060)年には39.9%に達すると見込まれています。その後はほぼ40~41%台で推移し、平成122(2110)年では41.3%となっています。
なお、国立社会保障・人口問題研究所からは最新の人口推計として「日本の将来推計人口(平成29年推計)」が公表されています。こちらは平成31年に予定される次期財政検証で使用されます。

財政検証では、経済はどんな前提になっているの?

直近の財政検証では、経済前提については、今後労働市場への参加が進むか進まないか大きく2つに場合分けし、技術革新などの指標の高低に伴う経済成長の度合いにより8つのケースが考えられています。

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経済前提については、財政検証の都度、専門家による議論と検討に基づいて設定します。直近の財政検証である「平成26年財政検証」では、平成35年度までは、内閣府「中長期の経済財政に関する試算(平成26年1月20)」に準拠し、その後は、マクロ経済に関する試算(コブ・ダグラス型生産関数を用いた長期的な経済成長率等の推計)に基づき設定されています。
将来の厚生年金被保険者数は、人口中でどれくらい労働参加が進むかにかかっています。これに関する労働力率の前提は、(独)労働政策研究・研修機構の
「労働力需給推計」(平成26年2月)に準拠しています。
平成26年財政検証の経済前提は、このような枠組みをもとに、大別して「労働参加が進むケース」と「労働参加が進まないケース」の2つに分かれています。労働参加が進むケースでは、例えば、男性60~64歳の労働力人口が90.9%に対し、進まないケースでは75.4%、女性については35~39歳の労働力人口が、労働参加が進むケースでは84.4%とほぼいわゆるM字カーブが解消するのに対し、進まないケースでは69.7%とまだM字状態が残るというようなことが想定されています。
そして、長期的な経済状況を見通すうえで重要となる技術進歩等(全要素生産性)については、1.8から0.5まで幅広い条件が仮定されています。これらをもとに、ケースA~ケースHの合計8通りのケースが設定されています。
詳しくは、社会保障審議会年金部会の年金財政における経済前提と積立金運用のあり方に関する専門委員会報告書「年金財政における経済前提と積立金運用のあり方について(検討結果の報告)」(平成26年3月12日)をご覧ください。

オプション試算も行われたそうだけど、それは何?

財政検証はあくまで現行制度に基づく財政の将来見通しです。これに対し、最近議論されている幾つかの制度改革の課題について、制度改正を仮定した場合の試算がオプション試算として示されています。

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財政検証はあくまで現行制度を前提として、財政の将来見通しを作成するものです。これに対し、オプション試算は、社会保障制度改革国民会議の報告書(平成25年8月)やこの報告書を受けて平成25年に成立した持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律において指摘された年金制度の課題について、今後の検討に資するよう、一定の制度改正を仮定して実施された試算です。法律で要請される現行制度に基づく財政検証に加えて実施されました。
具体的には、3種類のオプション試算が実施されており、それぞれ、次のような場合について、マクロ経済スライドの終了時期や終了後の給付水準等について試算が行われています。
①物価や賃金の伸びが低い場合でもマクロ経済スライドがフルに発動するように仕組みを見直した場合、
②被用者年金の更なる適用拡大を行った場合、
③保険料拠出期間の延長や受給開始年齢の繰り下げを行った場合
いずれも公的年金財政の持続性確保に一定の効果があることが示されており、今後の年金制度改正の基本的方向を示すものと考えられます。
詳しくは、厚生労働省ホームページの「将来の厚生年金・国民年金の財政見通し」に掲載されているオプション試算関係の資料をご覧ください。

積立金は年金財政にどのように役に立っているの?

過去から段階的に保険料(率)を引き上げてきましたので、公的年金はかなりの額の積立金を保有しています。この運用収入を利用するとともに一部は取り崩すことで一定水準の年金額の確保に寄与します。

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公的年金においては、従来は、5年ごとに財政再計算を行い、最終的に必要と見込まれる水準に向かって保険料(率)を段階的に引き上げていく方式が採られてきました。これを段階保険料方式といいます。このように将来を展望しつつ徐々に保険料(率)を引き上げてきたことから、かなりの額の積立金を保有するに至っています。
運用収入も公的年金財政を支える収入の1つです。また、ここ当分の間は保険料収入よりも年金給付である支出が上回る状態が続くことが見込まれています。このような収支差を、積立金を取り崩して賄うことが予定されています。
積立金は100年後には給付費の1年分になるよう財政運営を行うこととされています。積立金があることで運用収入が得られ、一定水準の年金額の確保に寄与するとともに、必要に応じて取り崩すことで年々の収支の凸凹が均されます。積立金は長期的な財政運営に大きく貢献しています。
厚労省資料「平成28年度 年金積立金の運用状況」P2によると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で管理する積立金と年金特別会計で管理する積立金を合わせた積立金合計は平成28年度末で153.4兆円です。ちなみに、GPIFの運用などで、平成28年度には7.9兆円の運用収益がありました。平成13年度の運用開始以来の累積収益額は64.4兆円となっています。

積立金はどこが運用しているの?

国民年金と厚生年金の積立金は法律に基づき国から運用寄託を受けた年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用を行っています。公務員等の積立金は各共済組合の連合体などで運用を行っています。

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公的年金の積立金は、かつては全額が政府の資金運用部に預託されていました。しかし、財政投融資制度の改革に伴い、平成13年度から年金特別会計が直接運用する自主運用が始まりました。今日では、年金特別会計に集められた国民年金と厚生年金の積立金は、法律に基づき国から運用寄託を受けた年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用を行っています。
ただし、国家公務員、地方公務員及び私立学校教職員に係る厚生年金の積立金は、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団などが運用を行っています。

GPIFはどんな運用をしているの?

安全かつ効率的な運用を目指し、信託銀行や投資顧問会社に委託して、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式に分散投資しています。国内債券は一部自家運用(GPIFが直接売買)しています。

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法律に基づき国民年金と厚生年金の積立金の運用を行う年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)においては、安全かつ効率的な運用を目指して、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式に分散投資を行っています。そのため、これらについて長期的に維持すべき資産構成割合を基本ポートフォリオとして定めるとともに、信託銀行や投資顧問会社に委託して、運用をしています。個々の債券や株式の銘柄や売買のタイミングを判断するのは、それら信託銀行や投資顧問会社であり、債券や株式は信託銀行で資産管理されています。
平成28年度末では34社に運用が委託されています。また、国内債券はGPIFが一部自家運用しています。運用の仕方は、市場に追随するパッシブ運用が中心ですが、一部は市場を凌駕する運用成果を目指すアクティブ運用が行われています。平成28年度末では、運用資産全体のうちパッシブが76.43%、アクティブが22.43%、財投債1.14%の割合となっています。(GPIF平成28年度業務報告書 p72~74)

運用の基本的な考え方はどうなっているの?

積立金の運用は、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことが求められています。このため、GPIFでは長期的に維持すべき資産構成割合を基本ポートフォリオとして定めています。

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法律により、公的年金の積立金の運用は、積立金が被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の給付の貴重な財源になるものであることに特に留意し、専ら被保険者の利益にために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うべきことが定められています。
運用の対象は、基本的には国内債券、国内株式、外国債券、外国株式です。安全かつ効率的な運用を行うためには、これらに分散投資を行うことが必要であり、GPIFでは、これらについて、長期的に維持すべき資産構成割合を基本ポートフォリオとして定めています。その構成割合(カッコ内は乖離許容幅)は次の通りです。
①国内債券:35%(±10%)
②国内株式:25%(±9%)
③外国債券:15%(±4%)
④外国株式:25%(±8%)
実際の運用は信託銀行や投資顧問会社に委託して行うのが基本ですが、一部国内債券はGPIFが自家運用しています。資産構成割合が基本ポートフォリオの乖離許容幅の範囲内に収まるよう、適時適切にリバランスが行われています。

運用状況はどうなの?

良好です。年金の給付費は長期的には賃金水準に連動するため、賃金上昇率を上回る利回りが実質的な運用利回りとなります。直接市場での運用を開始した平成13年度以降の平均でこれを十分に上回っています。

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年金の給付費は長期的には賃金水準に連動するため、賃金上昇率を上回る利回りが実質的な運用利回りとなります。
年金積立金の運用実績の評価は、長期的な観点から行うべきものです。そこで、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で管理する積立金と年金特別会計で管理する積立金を合わせた積立金について、市場での運用が本格的に開始された平成13年度から平成28年度までの16年間の運用実績と、財政再計算及び財政検証上の実質的な運用利回りを比較すると、次のとおりです。
平成13年度から平成28年度までの16年間の平均収益率(名目運用利回り)は厚生年金が3.01%、国民年金が2.91%となっており、この期間における平均名目賃金上昇率は-0.26%ですから、実質的な運用利回りの平均は厚生年金が3.28%、国民年金が3.19%となります。
財政再計算及び財政検証の前提では平成13年度から平成28年度までの16年間の実質的な運用利回りの平均は、厚生年金が0.23%、国民年金が0.18%となっており、厚生年金では3.05%、国民年金では3.00%、実績が財政再計算及び財政検証の前提を上回っています。
詳しくは厚労省資料「平成28年度 年金積立金の運用状況」P24をご覧ください。