3 適用種別について

1 第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とは何?

国民年金法による加入者の種別です。第2号被保険者が会社勤めや公務員などのサラリーマン本人、第3号被保険者が第2号被保険者に扶養される配偶者、第1号被保険者はそれ以外の全員(自営業世帯など)です。

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 日本国内に住所を有する20歳以上59歳以下のすべての人に対し国民年金が強制適用されます。この適用に当たっては、第1号~第3号被保険者の3つの適用種別に分かれています。
 このうち、第2号被保険者は、いわゆるサラリーマン、すなわち、民間企業に正規雇用されるか公務員になった場合が該当します。厚生年金の被保険者になりますが、被用者年金一元化に伴い、これがさらに、第1号厚生年金被保険者~第4号厚生年金被保険者に区分されます。
 第3号被保険者は第2号被保険者の被扶養配偶者(日本国内に住所を有するか、留学生その他の日本国内に生活の基礎があると認められる者に限られます)であり、典型的にはサラリーマン世帯の専業主婦が該当します。主として第2号被保険者の収入によって生計を維持するものをいい、自身の収入が年間130万円未満(60歳以上か障害者は180万円未満)で、配偶者である第2号被保険者の年収の半分未満であれば該当します。ただし、従業員51人以上の企業において(労使の合意があれば、それ以下の企業でも)、1週間の労働時間が20時間以上、賃金月額が88,000円以上(年収106万円以上)、勤務期間が2か月を超えると見込まれる場合は、第2号被保険者になります。従業員数は、現在の厚生年金の適用対象者(フルタイムの従業員と、週当たり勤務時間及び月当り勤務日数がフルタイムの3/4以上の従業員)でカウントします。第3号被保険者は自身では保険料納付義務を負わずに基礎年金の受給資格を得ることができます。これは、第3号被保険者は第2号被保険者の被扶養者ですから厚生年金全体で第3号被保険者分も含めて年金の財源を負担するという考え方に基づきます。
 第1号被保険者は第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しない者です。自営業世帯の他、学生、非正規雇用者、無業者(いわゆるニートや引きこもり)など多種多様な人々が該当します。第1号被保険者は国民年金保険料の納付義務を負い、受給要件に該当すると基礎年金を受給します。

2 「20歳になったら国民年金」とはどういうこと?

一生続く年金との付合いの始まりです。国民年金は20歳以上の国民に強制適用されます。すでに就職して厚生年金に加入している人は特に変わりませんが、それ以外の人は新たに国民年金保険料の納付義務が生じます。

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 わが国では、20歳になると国民年金が強制適用されます。これは一生続く年金との付合いの始まりです。すなわち、59歳までは、日本国内に居住する限り強制適用の期間が続きます。65歳になると、それ以降老齢基礎年金を終身受給します。
 その他、一定の障害状態になると障害基礎年金を、死亡すると死亡した者が生計を維持していた18歳到達年度まで(障害児の場合は20歳未満)の子のある配偶者又は配偶者がいない場合はそのような子自身が遺族基礎年金を、それぞれ受給することができます。
 20歳前でも就職して厚生年金の適用事業所で正規に雇用されると厚生年金の被保険者となり、厚生年金保険料の納付が始まっています。このような人は、20歳になっても特に変化はありません。それ以外の人は新たに国民年金保険料の納付義務が生じます。「20歳になったら国民年金」は国民年金保険料の納付が始まることを意味する言葉です。

3 会社に正社員で就職したら、年金の加入はどうなるの?

通常は厚生年金に自動的に加入し、第2号被保険者となります。規模が小さいなど会社自身が厚生年金の適用を受けていない場合があるので、ご注意ください。企業年金制度がある場合、通常何らかの説明があります。

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 会社に正社員で就職すると、会社が従業員5人未満の個人事業といった場合を除き、厚生年金が適用されます。なお、会社によってはさらに企業年金がある場合があります。
 必要に応じ会社には必ず厚生年金があるの?公的年金の上乗せをする年金にはどんなものがあるの?をご覧ください。

4 会社を退職したら年金の適用はどうなるの?

第2号被保険者が会社を退職すると、第1号被保険者になります。ただし、勤労者の配偶者に扶養される場合は、第3号被保険者になります。第1号の場合は市町村に、第3号の場合は配偶者の勤め先に届出が必要です。

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 会社勤めで厚生年金被保険者だった方が退職されますと、通常は国民年金第1号被保険者となります。それまでは会社を通じて厚生年金保険料を納付していましたが、退職後は自分で国民年金保険料を納付する義務が生じます。ただし、配偶者に扶養される場合は第3号被保険者になり、この場合は国民年金保険料の納付は不要です。
 それぞれ手続きが必要です。第1号になる場合は住所地の市町村に(マイナポータルを利用した電子申請も可能)、第3号になる場合は配偶者の勤め先に届出が必要です。
 なお、60歳以上の方が会社を退職された場合は、国民年金の被保険者にはなりませんので、手続きや国民年金保険料の納付は不要です。ただし、退職された方の配偶者が59歳以下で退職前まで第3号被保険者だった場合は、その配偶者は新たに第1号被保険者になりますので、その旨市町村に届出が必要です。
 必要に応じ第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とは何?をご覧ください。

5 非正規社員ってよく聞くけど、非正規ってどういうこと?

通常は厚生年金・健康保険の適用を受けない会社勤めの人を非正規社員と呼んでいます。パート・アルバイト、契約社員、派遣社員、嘱託など様々な形態があり、働き方の多様化に伴って増加しています。

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 非正規社員は、必ずしも厳密な定義があるわけではありませんが、厚生年金・健康保険の適用を受けない短時間勤務の会社勤めの人をそのように呼ぶことが多いという実態があります。同一の事業所の一般の従業員と比べて、1週当たりの勤務時間や1月当たりの勤務日数が3/4未満の場合は、原則として厚生年金・健康保険は適用されません。
 ただし、従業員51人以上の企業において(労使の合意があれば、それ以下の企業でも)、1週間の労働時間が20時間以上、賃金月額が88,000円以上(年収106万円以上)、勤務期間が2か月を超えると見込まれる場合は、学生である場合を除き、厚生年金・健康保険が適用されます。従業員数は、現在の厚生年金の適用対象者(フルタイムの従業員と、週当たり勤務時間及び月当り勤務日数がフルタイムの3/4以上の従業員)でカウントします。
 なお、厚生年金・健康保険の適用の如何にかかわらず、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員、嘱託など、いわゆる正社員以外の雇用形態の被雇用者をまとめて非正規社員と呼ぶこともあります。
 必要に応じ非正規社員には年金の適用はどうなるの?をご覧ください。

6 非正規社員には年金の適用はどうなるの?

厚生年金・健康保険は、労働時間や労働日数が正規職員の4分の3未満の人には適用されないという実態があります。なお、最近は、一定規模以上の企業の短時間勤務者へ適用が拡大されつつあります。

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 同一の事業所の一般の従業員と比べて、1週当たりの勤務時間や1月当たりの勤務日数が3/4未満の場合は、原則として厚生年金は適用されません。このような短時間勤務の会社勤めの人を非正規社員と呼ぶことが多いという実態があります。
 ただし、近年は順次適用が拡大されつつあります。今日では、従業員51人以上の企業において(労使の合意があれば、それ以下の企業でも)、1週間の労働時間が20時間以上、賃金月額が88,000円以上(年収106万円以上)、勤務期間が2か月を超えると見込まれる場合は、学生である場合を除き、厚生年金が適用されます。なお、従業員数は、現在の厚生年金の適用対象者(フルタイムの従業員と、週当たり勤務時間及び月当り勤務日数がフルタイムの3/4以上の従業員)の数でカウントします。
 なお、これまでの適用拡大の経過は次のとおりです。先ず、平成24年の社会保障・税一体改革の一環として、平成28年10月から、従業員501人以上の大企業においては(平成29年4月からは、労使の合意があれば、500人以下の企業でも)、1週間の労働時間が20時間以上、賃金月額が88,000円以上(年収106万円以上)、勤務期間が1年以上見込まれる場合は、学生である場合を除き、厚生年金・健康保険が適用されるようになりました。なお、夜間・定時制の学生は、これらの条件に該当すれば、適用されます。
 これについての概要や関係条文については、厚生労働省のホームページに掲載されている年金制度の改正について(社会保障・税一体改革関連)にある「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成24年8月10日成立)」の欄の中に「短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大を行う」が含まれています。
 さらに、令和2年の法律改正により、この企業規模要件は、令和4年10月から従業員101人以上に引き下げられ(対象企業が拡大され)、同時に1年以上という勤務期間の要件が削除され、元々法律に規定されていた「2か月を超えると見込まれる場合」に拡大されました。企業規模要件は、令和6年10月からは従業員51人以上に拡大されて、今日に至っています。

7 パート・アルバイトには年金の適用はどうなるの?

通常のパート・アルバイトは労働時間が短いため厚生年金の適用を受けません。この場合には国民年金第1号被保険者となります。ただし、配偶者が第2号被保険者の場合は、第3号被保険者になることがあります。

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 年金の適用は、パートやアルバイトといった就業形態によるのではなく、一般の従業員との勤務時間の相対的な違いによって判断されます。従って、パートやアルバイトであっても、一般の従業員と勤務時間の条件がほぼ変わらなければ、厚生年金が適用されます。
 同一の事業所の一般の従業員と比べて、1週当たりの勤務時間や1月当たりの勤務日数が3/4未満の場合は、原則として厚生年金は適用されません。パートやアルバイトで働く人がこれに該当する場合は、厚生年金は適用されません。
 この場合にはパート・アルバイトの方は国民年金第1号被保険者となりますので、国民年金保険料の納付義務が生じます。ただし、パート・アルバイトの方が厚生年金被保険者の配偶者である場合は、パート・アルバイトによる収入が年間130万円未満(60歳以上か障害者は180万円未満)で、配偶者である厚生年金被保険者の年収の半分未満であれば、第3号被保険者になります。その場合は国民年金保険料を納付する必要はありません。
 ただし、従業員51人以上の企業においては(労使の合意があれば、それ以下の企業でも)、1週間の労働時間が20時間以上、賃金月額が88,000円以上(年収106万円以上)、勤務期間が2か月を超えると見込まれる場合は、学生である場合を除き、パート・アルバイトの方も厚生年金が適用されます。夜間・定時制の学生は、これらの条件に該当すれば、適用されます。従業員数は、現在の厚生年金の適用対象者(フルタイムの従業員と、週当たり勤務時間及び月当り勤務日数がフルタイムの3/4以上の従業員)でカウントします。
 必要に応じ第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とは何?をご覧ください。

8 契約社員には年金の適用はどうなるの?

雇用期間に定めのあるのが契約社員ですが、勤務時間や勤務日数が正規社員と変わらなければ、通常は厚生年金に加入します。

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 契約社員は、必ずしも厳密な定義があるわけではありませんが、通常は期間に定めのある雇用契約で雇用される人をいいます。2か月以内の期間を定めて雇われると、厚生年金の適用除外となりますが、それより長い期間であれば、通常は厚生年金の被保険者となります。
 同一の事業所の一般の従業員と比べて、1週当たりの勤務時間や1月当たりの勤務日数が3/4未満の場合は、原則として厚生年金は適用されません。勤務時間や勤務日数がこれを上回っていれば、厚生年金の適用を受けます。
 なお、従業員51人以上の企業においては(労使の合意があれば、それ以下の企業でも)、1週間の労働時間が20時間以上、賃金月額が88,000円以上(年収106万円以上)、勤務期間が2か月を超えると見込まれる場合は、学生である場合を除き、厚生年金が適用されます。夜間・定時制の学生は、それらの条件に該当すれば、適用されます。従業員数は、現在の厚生年金の適用対象者(フルタイムの従業員と、週当たり勤務時間及び月当り勤務日数がフルタイムの3/4以上の従業員)でカウントします。

9 派遣社員には年金の適用はどうなるの?

派遣会社によって異なりますが、通常は、派遣で働いている間は派遣元で厚生年金に加入します。なお、派遣先が見つかるまでの登録しているだけの間は、厚生年金も適用されないのが普通です。

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 派遣社員は、派遣先が決まると、派遣元である派遣会社から派遣されます。派遣先が決まるまでの間の雇用関係は派遣会社によって異なります。雇用関係のある常用型と雇用関係のない登録型に大別されます。常用型の場合は、通常は派遣会社の正社員になりますので、派遣の有無にかかわらず派遣会社で厚生年金の被保険者となります。
 登録型派遣の場合、派遣期間中も雇用関係から見れば派遣元の従業員です。派遣で働く期間が2か月を超え、かつ、派遣元の事業所の一般の従業員と比べて、1週当たりの勤務時間や1月当たりの勤務日数が3/4以上である場合には、派遣元で厚生年金被保険者となることが基本です。
 なお、登録型派遣では、派遣先が見つかるまでの間は派遣会社と雇用関係がありませんので、厚生年金も適用されないのが普通です。その間は、登録中の方が59歳以下なら、国民年金第1号被保険者となりますので、国民年金保険料の納付義務が生じます。ただし、登録中の59歳以下の方が厚生年金被保険者の配偶者である場合は、その間の収入が年間130万円未満(障害者は180万円未満)で、配偶者である厚生年金被保険者の年収の半分未満であれば、第3号被保険者になります。その場合は国民年金保険料を納付する必要はありません。
 必要に応じ第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とは何?をご覧ください。

10 自営業、自由業に就いた場合、年金の適用はどうなるの?

第1号被保険者になります。なお、基礎年金だけでは老後生活に十分な年金とはならないことから、税優遇のある国民年金基金制度等への加入を検討されるとよいでしょう。

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 自営業、自由業の方は国民年金第1号被保険者になります。国民年金保険料を納付し、受給要件に該当すると基礎年金を受給します。
 老齢基礎年金は40年加入の満額で月額約6.8万円、夫婦合わせて約13.6万円ですので、老後生活に十分な年金にはなりません。第1号被保険者の方たちのために基礎年金に上乗せされる年金として付加年金があります。月額400円の付加保険料を40年間完納して月額8千円の上乗せになります。
 これに代わるより充実した年金を受ける仕組みとして国民年金基金が用意されています。掛金は社会保険料控除となり、受け取る年金には終身保障があります(ご希望によって終身と有期を組み合わせることも可能)。検討されるとよいでしょう。
 このほかに個人型確定拠出年金も利用が可能です。
 必要に応じ第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とは何?付加年金とは何?国民年金基金とは何?個人型確定拠出年金とは何?をご覧ください。

11 起業した場合、年金の適用はどうなるの?

法人組織を立ち上げた場合には厚生年金(第2号被保険者)、個人事業主の場合には従業員がいても起業者自身は国民年金への加入(第1号被保険者)となります。

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 株式会社などの法人の事業所又は事務所で、常時従業員を使用する場合は、法律上厚生年金が強制適用されます。たとえ従業員が1人でも、またそれが事業主だけであっても、事情は変わりません。法人組織を立ち上げて起業した場合、起業した方は常時その法人で業務に従事されることになると思われますので、厚生年金の被保険者となります。
 一方、個人事業については、起業者は自営業を営むことになりますので、国民年金第1号被保険者になります。常時従業員を5人以上使用する場合には厚生年金が強制適用となりますが、使用者である起業者自身は第1号被保険者になります。国民年金保険料を納付し、受給要件が生じた場合は基礎年金を受給します。
 必要に応じ会社には必ず厚生年金があるの?自営業、自由業に就いた場合、年金の適用はどうなるの?をご覧ください。

12 家事手伝いやニートには年金の適用はどうなるの?

健康保険は被扶養者となれるかもしれませんが、年金は国民年金第1号被保険者となり保険料を納付しなければなりません。ただし、50歳未満の場合は納付猶予制度を活用することができます。

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 会社勤めをされる親族と同居している場合、親族が加入する健康保険の被扶養者になることが可能と思われます。しかし、年金は国民年金第1号被保険者となり、国民年金保険料の納付義務が生じます。
 ご本人は低所得でも、世帯主に相応の所得がある場合は、国民年金保険料の免除を受けることはできません。だからと言って未納のままでは、高齢になったときや障害者になったときに年金を受け取ることができません。ご親族にお願いしてでも、納付されることをお勧めします。
 ただし、ご本人が50歳未満の場合は、ご自身の前年所得が「(扶養親族の和+1)×35万円+32万円」以下であれば、手続きをすることによって、納付猶予を受けることが可能です。猶予を受けた保険料は10年以内でしたら追納することが可能です。
 必要に応じ低所得者を対象にした保険料納付猶予ってどういう制度?をご覧ください。

13 会社員と結婚して家庭に入った場合、年金の適用はどうなるの?

第3号被保険者になります。第3号被保険者の基礎年金は厚生年金制度全体で負担しますので、ご自身で国民年金保険料を納める必要はありません。なお、配偶者の勤め先に届出が必要です。

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 会社員は通常厚生年金の被保険者です。この方と結婚し家庭に入ると、年金の適用は国民年金第3号被保険者になります。結婚には、届出をしていなくても婚姻関係と同様の事情にあるいわゆる内縁関係も含みます。第3号被保険者は受給要件に該当すると基礎年金を受給しますが、自身では国民年金保険料を納付する必要はありません。
 なお、会社で第3号被保険者の手続きもしますので、結婚されたときは配偶者の勤務先にその旨の届出が必要です。結婚したことを会社に秘密にしていると、年金記録上は国民年金保険料が未納の扱いとなり、高齢になって基礎年金を受け取れなくなるおそれがありますので、注意してください。
 また、第3号被保険者は、平成2年4月以降は、日本国内に住所を有するか、留学生その他の日本国内に生活の基礎があると認められる者に限られます。留学あるいは海外に赴任する配偶者に同行する場合などには会社を通じて海外特例の手続きが必要です。
 必要に応じ第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とは何?をご覧ください。

14 専業主婦が離婚した場合、年金の適用はどうなるの?

第3号被保険者ではなくなりますので、就業の状況に応じ、第1号被保険者又は第2号被保険者となります。第1号被保険者となる場合は、居住する市町村に届け出て、国民年金保険料を納付することが必要になります。

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 配偶者が厚生年金の被保険者である60歳未満の専業主婦は国民年金第3号被保険者となります。離婚によって配偶関係がなくなると、第3号被保険者ではなくなります。
 離婚後に会社や役所にフルタイムの従業員として就職すると、第2号被保険者となります。従業員51人以上の企業において(労使の合意があれば、それ以下の企業でも)、1週間の労働時間が20時間以上、賃金月額が88,000円以上(年収106万円以上)、勤務期間が2か月を超えると見込まれる場合も、第2号被保険者になります。(従業員数は、現在の厚生年金の適用対象者(フルタイムの従業員と、週当たり勤務時間及び月当り勤務日数がフルタイムの3/4以上の従業員)でカウントします。)年金の手続きは勤務先が行い、給与や賞与から天引きで厚生年金保険料を支払います。
 それ以外の場合は、国民年金第1号被保険者となります。国民年金保険料を納付し、受給要件に該当すると基礎年金を受給します。
 新たに1号被保険者となる場合は、居住する市町村に届出が必要です。それを忘れると、国民年金保険料の納付の案内などが届かず、年金記録上は国民年金保険料が未納の扱いとなり、高齢になって基礎年金を受け取れなくなるおそれがありますので、ご注意ください。
 なお、専業主婦が60歳以上の場合はこの手続きは必要ありませんが、離婚した時点で国民年金の加入期間が40年に満たない場合は、64歳までであれば国民年金に任意加入できます。任意加入の申込みは居住する市町村又は年金事務所で可能です。また、配偶者が厚生年金の被保険者である専業主婦が離婚すると、婚姻期間中の標準報酬を最大で折半できる仕組みがあります。
 必要に応じ第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とは何?離婚したら年金はどうなるの?をご覧ください。

15 外国で働くことになったけど年金の適用はどうなるの?

通常は日本と外国の両方の年金制度に加入しますが、日本と社会保障協定を締結している国では滞在期間が5年以内か超かによりどちらかの国の制度への加入が免除されます。なお、外国では国民年金は任意加入です。

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 通常どの国でも年金制度は属地主義の考え方に基づいています。自国の領土内に居住する人に対しては、国籍にかかわらず年金制度を適用します。他方、外国に居住する自国人も将来の年金に結び付くよう自国制度へ加入が可能となっています。
 厚生年金に加入する日本人が外国で働く場合も引き続き厚生年金に加入し続けることが通常です。しかし同時に、滞在国の年金制度の適用も受けます。このように二重加入となり、両方の保険料の支払いが必要になります。また、いずれは帰国することが普通ですが、滞在期間が外国の年金受給権を獲得できる加入期間に満たず、外国の保険料は掛捨てになることが多いという問題もあります。
 近年は、社会保障協定を締結して二重加入と掛捨てを防止する措置が講じられています。相手国によって必ずしも同じではありませんが、基本的には、滞在期間が5年を超えない見込みの場合は滞在国の制度の適用をせず、5年を超える見込みの場合は滞在国の制度だけを適用することによって、二重加入をなくします。また、相手国の制度に加入していた期間も自国の年金受給権に必要な加入期間に算入し、期間に応じた年金を支給することによって、掛捨てをなくします。詳しくは厚生労働省のホームページにある海外で働かれている皆様へ(社会保障協定)をご覧ください。
 なお、厚生年金に加入していない日本人が外国で居住する間、国民年金は任意加入です。出国前の住所地を管轄する年金事務所で手続きをして、国民年金保険料を納付することが可能です。また、加入しなくても外国にいる間は合算対象期間(カラ期間)になり、基礎年金受給に必要な期間に算入されます。
 厚生年金加入者が第3号被保険者である配偶者を海外に帯同する場合は、会社を通じて第3号被保険者の海外特例の手続きをすることが必要です。これは、第3号被保険者は日本国内に住所を有するか、留学生その他の日本国内に生活の基礎があると認められる者に限られるためです。この手続きをすることによって配偶者は海外にいる間も第3号被保険者として取り扱われます。

16 外国人を雇う場合、年金の適用はどうしたらいい?

原則的には日本人を雇う場合と違いはありません。ただし、外国人の方が日本と社会保障協定を締結している国の出身者で、日本の滞在期間が5年以内であると見込まれる場合は、厚生年金を適用しないことが基本です。

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 日本は国際人権規約を批准しています。この中で、締約国は、社会保険その他の社会保障についてのすべての者の権利を認める旨が規定されています(A規約第9条)。このことから、日本では社会保障について内外人平等の取扱いをすることになっており、年金の適用に当たっても、原則的には、日本人を雇う場合と違いはありません。
 ただし、外国人の国籍が日本と社会保障協定を締結している国の場合は、この協定によります。相手国によって必ずしも同じではありませんが、基本的には、滞在期間が5年を超えない見込みの場合は滞在国の制度の適用をせず、5年を超える見込みの場合は滞在国の制度だけを適用することによって、二重加入をなくします。また、相手国の制度に加入していた期間も自国の年金受給権に必要な加入期間に算入し、期間に応じた年金を支給することによって、掛捨てをなくします。詳しくは厚生労働省のホームページにある海外で働かれている皆様へ(社会保障協定)をご覧ください。
 外国人の方から見ると日本は滞在国です。協定締結国の出身者を雇う場合、日本の滞在期間が5年以内であると見込まれる場合は、厚生年金を適用せず、逆に、5年を超えると見込まれる場合は厚生年金を適用することが基本です。