年金の役割・機能について

そもそも年金とは何?

人生には様々なリスクがあります。年金はこのうち、高齢になって働くのが難しくなるか、障害者になるか、一家の働き手が亡くなった場合に、生活保障のために定期的に一定の現金を受給できる仕組みのことです。

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年金は社会保障の一環にある制度です。社会保障とは、「国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民にすこやかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行うもの」(社会保障制度審議会「社会保障将来像委員会第1次報告」(平成5年))とされています。
病気やけが、事故による障害、失業その他による生活困窮、そして何より死亡といった人生の様々なリスクに応じて、種々の社会保障制度があります。年代ごとに想定される社会保障制度との対応関係については、例えば、平成24年版厚生労働白書の34ページにあるコラム「ゆりかごから墓場まで」をご覧ください。
年金制度は、このうち、高齢、障害、死亡の3つの事象に対して、それぞれ、老齢年金、障害年金、遺族年金として定期的に現金を受け取ることができる仕組みです。一般に、高齢になると働いて生活費を得るのが難しくなります。障害者になっても同様に働くことが困難になるほか、補装具や介護などの費用がかかります。一家の働き手が亡くなると、残された家族が路頭に迷うことになりかねません。年金はこれらのリスクに備えるものであるということができます。
年金の額は字義通り年額で表されることが多いのですが、実際には2か月ごとに年額の6分の1が支払われます(1円未満切捨て、ただし切り捨てた端数の年間合計が1円未満を切り捨てて2月の支払期に支払われます)。支払いは銀行振込みの方法によることが通常です。

貯蓄があれば年金は必要ないんじゃない?

想定以上の長生きや物価の上昇に限られた貯蓄で対応することは困難でしょう。また、明日にも起こるかもしれない死亡や障害に貯蓄で対処することは不可能です。年金は保険の仕組みを活用してこれらに備えています。

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老後などの生活の安定に向けて貯蓄は必要です。ただし、貯蓄だけで対処しようとしても、色々と無理があります。
平均寿命や5歳刻みの各年齢の平均余命といった数値が毎年公表されますが、これはあくまで平均値です。個々人が何歳まで生きるかは不確実です。例えば、80歳までの生活資金を貯蓄で用意しても、実際にはそれ以上に生きる可能性は大きいのです。その場合、高齢になってから生活費に事欠くことになります。逆に、余裕を見て120歳までを想定した貯蓄を用意しても、相当部分は結果的に無意味な貯蓄になります。
また、物価が上昇すると、貯蓄の実質的な価値は低下します。長い老後の期間について、経済の変動を確実に見通すことは不可能です。
さらに、貯蓄をするには時間が必要ですが、死亡や障害の原因になる病気や事故はいつ起こるか分かりません。十分な金額が貯まるまで待ってくれるという保障は全くありません。
このように個々人で対処しようとすると大きな不確実性という問題があります。また、社会全体として、不必要な貯蓄が生じてしまうという問題もあります。
しかし、個々人では不確実でも、集団としては安定するのです(これを「大数の法則」といいます)。個々人の寿命は様々ですが、日本人全体としては平均寿命がほぼ安定的に少しずつ伸びている状況です。
このように、集団では安定するという性質によって成り立つのが「保険」です。リスクを集団で分散する仕組みともいえます。年金もこの仕組みを活用しています。すなわち、各受給者は異なる年齢で亡くなるまで年金を受けますが、集団としては年金の支給期間は概ね平均余命までと安定するのです。

年金が保険とはどういうこと?

起こると負担が大きいリスクに集団で備えるのが保険です。病気、けが、死亡、火災などはリスクとしてイメージしやすいですが、思いがけない長寿や物価の上昇なども高齢期のリスクとなります。

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年金は、厚生年金「保険法」という法律名や国民年金「保険料」を納付することから分かるように、保険としての性格を有しています。事故など個々人では発生するかどうか不確実でも、集団としては発生件数などが安定する性質を「大数の法則」といいます。「保険」はこれによって成り立っています。リスクを集団で分散する仕組みともいえます。
医療保険、生命保険、火災保険など保険には様々な種類がありますが、すべてこの法則に立脚しています。そして、事故発生に関する統計データなどに基づき、必要な保険料が算定されます。保険料を徴収し、事故などにあった人に必要な給付をする者を「保険者」といいます。保険事業の実施主体です。
一方、保険料を負担し、事故などにあった場合に給付を受ける者を「被保険者」といいます。保険の受益者です。保険では、給付を受けるのは保険料を支払っていることが前提です。
思いがけない長寿は、それ自体はおめでたいことですが、準備していた貯蓄が底をつくかもしれないという意味では、リスクでもあります。このリスクを受給者の集団で備えるのが年金です。思いがけない長寿を享受できるのは、受給者集団の中では一部の人ですが、だれが享受できるのかは事前にはわかりません。しかし、集団として見た場合、個々人では異なる余命が平均されることから、統計的に安定的な平均余命までの準備をしておけば過不足なく準備ができることになるのです。
これに対し、物価上昇も、準備していた貯蓄の実質価値が低下するという意味では、リスクです。しかし、これに備える仕方は若干異なります。公的年金は、各時点で必要な給付をその時点の保険料で賄うという「賦課方式」で運営されています。物価が変動しても、変動後の水準での保険料を徴収しますので、物価変動に備えることが可能になるのです。

誰でも年をとるのに、それを保険するっておかしくない?

元気に働くことが難しくなった高齢者を国民や被用者といった大きな集団で支えるのが社会保険としての年金の役割です。また、個々人の寿命が事前には分からない中で、思いがけない長寿に備えるという面もあります。

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質問の意味は、65歳になるというのは誰にとっても予測可能で、不確実性はないのに、それを保険するというのはおかしいのではないか、ということだと思われます。
厳密にいうと、質問にある「誰でも」というのは正しくありません。若くしてお亡くなりになる人もいるからです。また、養老保険、学資保険、個人年金保険など貯蓄に近い保険もあります。あらかじめお金を出して将来の事象に備える様々な仕組みが「保険」として発達しています。
また、年金は保険としての性格を有していますが、純然たる民間の保険とは異なります。それは加入が法律によって強制されるということです。
一般に高齢になると、働いて生活費を得ることができなくなります。国民年金は20歳~59歳の日本国内に住所を有するすべての人が被保険者になります。また、企業や官庁で正規に雇用されて働くと、厚生年金の被保険者になります。高齢者の生活をこれらの集団でしっかりと支えるとともに、老後になると年金の受給が確かなものとなるよう、そのような制度になっています。
質問の意味からは、思いがけない長寿に備えるという面は、理解いただきやすいのではないでしょうか。誰でも年はとりますが、いつまで生きるか事前には分からないという不確実性があります。これに集団で備えるという意味において、年金が保険であることが分かります。

生活保護があるから、年金は必要ないんじゃない?

生活保護は貧困になってしまった人たちが最後に頼る制度です。資産調査もあり誰でも受けられるものではありません。年金は働いて得る収入が減少する老後にも貧困に陥らないよう備える生活の安定のための制度です。

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生活保護は、何らかの理由で貧困状態にある人を、公費で支援する制度です。個別の生活事情について調査が行われ、それに基づいて保護の是非や支給額が決められます。預貯金や居住用家屋以外の不動産などの資産があったり、援助が期待できる近親者(扶養義務者)がいる場合は、それらに頼ることが求められ、生活保護は受けられません。保護が行われる場合、健康で文化的な最低限度の生活という観点から一定の基準が決まっていますが、収入があれば差し引かれ、基準との差額が支給されます。
生活保護は現に貧困状態にある人を対象とする制度であることから、救貧の制度であるのに対し、年金は貧困に陥るのを防ぐ防貧の制度であると言われることがあります。いざという場合のセーフティネットの制度だけあれば後は必要ないという考え方もあるかもしれません。しかし、貧困にはなりたくない、というのが大方の人々の気持ちではないでしょうか。年金は、働いて生活費を得ることが難しくなる高齢期にも、生活保護を受けなくて済むよう、生活の安定を図る制度であるともいえます。
また、生活保護はその制度の性格上公費(税金)が実施の財源です。これに対し、年金はそのために支払われた保険料が財源です。税金は治安維持、公共事業、教育、子育て支援その他の多くのニーズに対応する必要があり、生活保護だけのためのものではありません。年金は独自の財源を持つことで、老後の所得保障が確実になっているということができます。

年金制度にはどんな種類があるの?

全国民を対象にした国民年金と雇われて働く人が加入する厚生年金を公的年金と呼びます。その他に企業が実施する企業年金、自営業の人などの国民年金基金、民間の個人年金など様々な種類があります。

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国民年金と厚生年金を公的年金と呼びます。国民年金は20歳から59歳までの日本国内に住所を有するすべての人が加入します。40年の保険料支払いを要する基礎年金の満額に満たない場合は60歳から64歳まで任意加入することができます。
企業や官庁で正規に雇われて働くと、厚生年金の被保険者になります。厚生年金の加入期間中の保険料納付実績に基づき、基礎年金に加えて、厚生年金を受給することができます。
その他に、企業が実施する企業年金があります。これには、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金といった種類があり、実施するかどうかは企業によって異なります。企業に雇用されている人には、基礎年金、厚生年金、企業年金という3階建ての年金が用意されていることになります。
一方、自営業の人などには、任意で加入できる国民年金基金と個人型確定拠出年金があります。雇われて働く人たちとの均衡も考慮され、月額68,000円まで保険料納付が可能になっています。税制上、納めた保険料は所得から控除されます。
民間の保険会社などでは個人年金を取り扱っています。これは任意で加入が可能であり、自助努力による老後に向けた備えのための金融商品です。

公的年金と民間の年金はどう違うの?

公的年金は加入が強制されるのに対し、民間の個人年金などは加入が任意です。ただし、一定の企業年金では、実施するかどうかは企業の任意ですが、実施する場合にはその従業員は強制的に適用になります。

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公的年金が民間の年金と異なる最も大きな点は、公的年金においては加入が法律によって強制されることです。これは、年金が、「国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民にすこやかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行う」(社会保障制度審議会「社会保障将来像委員会第1次報告」(平成5年))という社会保障の一環であることと関連しています。
国民年金は日本国内に住所を有する20歳~59歳の全ての人が被保険者になります。また、企業や官庁に正規に雇用されて働くと、厚生年金の被保険者になります。高齢者などの生活をこれらの集団でしっかりと支えるとともに、自身が高齢者や障害者になり、あるいは、死亡して遺族が残された場合に年金の受給が確かなものとなるよう、そのような制度になっています。
他に、民間の年金との違いとして挙げられるのは、基礎年金の1/2は納付される保険料が財源になりますが、残りの1/2は国庫負担であるということです。国庫負担の財源は基本的に国民の税金です。民間の年金に対してこのような高率の国庫負担が行われることはありません。
また、国民年金や厚生年金の他に、私的年金として企業年金があります。厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金など法律に基づくものは、実施するかどうかは企業の任意ですが、実施する場合にはその従業員は強制的に適用になります。これらは、個人年金など純然たる民間の年金とは異なり、社会保障の一環と位置付けられています。

公的年金はなぜ必要なの?

国民の生活の安定が損なわれる事態を放置すると、社会が不安定化する恐れがあります。若い間は遠い先の老後にまでなかなか思慮が届きません。そのため、強制加入の年金制度を実施する必要があるのです。

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厚生年金は、その前身の労働者年金が昭和17年に、また、国民年金は昭和36年にスタートしました。歴史的には公的年金がない時代が長く続いていました。
そのような時代には、子が老親を扶養することが普通でした。また、今日と比べて寿命が短く、老後の期間がさほど長くなかったともいえます。
しかし、今や世界に類を見ない少子高齢化が進行し、かつてのような家族内の扶養は期待できなくなっています。また、長寿化も進行し、老後の期間が長期化しています。
高齢者は一般に働いて収入を得ることが困難なことから、仮に公的年金がなければ、その多くが貧困に陥ることを余儀なくされると考えられます。そのような社会は不安定化する恐れが強く、放置すると大きな社会的混乱を招きかねません。従って、年金の仕組みは今日の日本では不可欠です。
公的年金は国民に加入を強制するところに大きな特色があります。年金は若い時に保険料を拠出し、老後になってようやく給付を受け取ることができる息の長い仕組みです。若い間から遠い先を見通し、自発的に拠出することは、多くの人にとってはなかなか難しいのが現実です。しかし、老後になってしまってからでは遅いのです。そこで、老後収入の基礎になる公的年金については、加入の強制を伴って実施する意味が出てくるのです。
このように、今や公的年金は社会の安定を保つためになくてはならない制度なのです。

公的年金は老後生活でどれほど頼りにされているの?

最近の調査によれば高齢者(65歳以上)世帯の96%が公的年金を受給しています。そのうちの7割近くの世帯が総所得の8割以上を公的年金に頼っています。

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平成28年国民生活基礎調査によると、高齢者世帯(65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯をいいます)の96.3%が、公的年金・恩給の受給ありと回答しています。また、受給ありと回答した世帯のうち、総所得に占める公的年金・恩給の比率が100%(世帯所得のすべてが公的年金・恩給)であると回答したものが54.1%、同比率が80%以上100%未満と回答したものが12.0%となっています。両方を合わせて66.2%です。
以上についての統計データは政府統計の総合窓口の表番号119でご確認いただけます。

年金って幾らくらいの金額をもらえるの?

基礎年金は40年加入の満額で1人当たり月6.5万円です。厚生年金加入世帯の標準的な年金額は、夫婦の基礎年金と平均的な報酬水準である夫の厚生年金という計算で、月22.1万円となっています。

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平成30年度に新たに受給を開始する場合、40年間保険料を完納した場合に受給できる老齢基礎年金満額の年金額は779,300円(月額64,941円)です。また、モデル年金額(夫が40年間平均的な報酬水準で勤務した世帯における夫の老齢厚生年金と夫婦2人の老齢基礎年金を合算した額)は2,655,340円(月額221,277円)です。
平成30年度の年金額は、法律の規定により、平成29年度から据え置きとなっています。詳細については、厚生労働省ホームページにある平成30年度の年金額改定に関する厚生労働省のお知らせをご覧ください。

年金だけが収入の世帯の収支はどうなっているの?

最近の調査によれば世帯主年齢65歳以上の世帯の消費支出の平均月額は21.2万円で、厚生年金加入世帯の年金額とほぼ同額です。しかし、これ以外の支出(公租公課など)もあり、赤字の可能性があります。

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平成29年家計調査年報によると、総世帯中の世帯主年齢65歳以上の世帯の消費支出の平均月額は、212,088円となっています。平成30年度の厚生年金加入世帯の標準的な年金月額は221,277円ですので、ほぼ同額です。
ただし、公的年金は老後収入の基礎になるものですが、家計支出のすべてを賄うことまでは想定されていません。実際には、消費支出以外の支出もあり、公的年金だけで老後生活を送るのはもともとかなり無理があります。
消費支出以外の支出の主なものとして、公租公課が考えられます。国税と地方税、国民健康保険料・後期高齢者医療保険料、介護保険料などの税・社会保険料などがあります。
ちなみに、同調査年報による勤労者世帯(世帯主が会社,官公庁,学校,工場,商店などに勤めている世帯をいいますので、年金受給世帯とは異なります)中の世帯主年齢65歳以上の世帯の消費支出月額は、250,492円に対し、実支出(消費支出に、税金や社会保険料など原則として世帯の自由にならない支出である非消費支出を加えた支出)は302,907円となっています。
以上についての統計データは政府統計の総合窓口(表番号4)でご確認いただけます。

公的年金だけで老後生活はやっていけるの?

公的年金で老後の生活費すべてを賄う仕組みとはなっていません。また、少子高齢化に伴う給付調整などによって年金の給付水準は徐々に低下します。ゆとりある老後のため、ライフプランと貯蓄などで備えましょう。

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公的年金は老後収入の基礎になるものですが、家計支出のすべてを賄うことまでは想定されていません。公的年金だけで老後生活を送るのはもともとかなり無理があります。
また、年金額には、マクロ経済スライド(必要に応じマクロ経済スライドって何?をご覧ください。)が適用されます。これによって、年金の給付水準は今後徐々に低下し、公的年金だけに頼って老後生活を送ることがますます難しくなっていきます。
ゆとりある老後のためには、ライフプランとそれに基づく貯蓄などで備えることが必要です。ライフプランについては、お勤め先の会社や年金基金がセミナーなどを実施している場合は、ぜひ受講されるとよいでしょう。そのような機会のない方は、当法人でも年金ライフプランセミナーを実施していますので、参加されることをお勧めします。
老後のためにどれくらいの貯蓄が必要か、これはどのようなライフプランを立てるかによって異なります。衣食住の生活だけでなく、ご自身やご夫婦の生きがい、ご家族も含めた将来のライフイベントなどを具体的に想定し、いざという場合に備える点などを加味して、検討することが基本です。
貯蓄以外にも、保険、有価証券投資、アパート経営など様々な手段が考えられます。それぞれのご事情によって、取りうる手段や程度は異なりますが、リスクと分散投資には十分な留意が必要です。

公的年金は世代と世代の助け合いって、どういう意味?

公的年金は家族内で行われていた現役世代による老齢世代の扶養を社会に広げたもので世代間扶養と呼ばれています。このため、子供のいない高齢者も安心して生活できるようになってきました。

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厚生年金は、その前身の労働者年金が昭和17年に、また、国民年金は昭和36年にスタートしました。歴史的には公的年金がない時代が長く続いていました。スタート後も制度が未成熟な間は給付水準が必ずしも十分ではありませんでした。
そのような時代には、子が働いて老親を扶養することが普通でした。しかし、今や世界に類を見ない少子高齢化が進行し、かつてのような家族内の扶養は期待できなくなっています。
公的年金は家族内で行われていた現役世代による老齢世代の扶養を社会に広げたものということができます。これによって、家族内ではなく世代間で扶養する仕組みになりました。また同時に、子供のいない世帯も扶養の枠組みに参加できるようになりました。
現役世代は、次の時代には老齢世代となります。一方で、子どもが成長して現役世代になります。この繰り返しの中で、世代間の扶養が続いていきます。このことを、世代と世代の助け合いという言葉で表しています。

障害者支援制度と障害年金はどう違うの?

障害者総合支援制度では障害者向けに様々な施策がありますが、これらは社会福祉の一環として税を財源に行われるものです。障害年金は社会保険の一環ですので、保険料が主要な財源になります。

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障害者総合支援制度は社会福祉の一環にある制度です。これに対し、障害年金は社会保険としての公的年金の給付です。
社会保障は社会保険と社会福祉に大別されます。両者は概ね次のように対比することができます。

社会保険 社会福祉
基本的仕組み保険の考え方に基づき、保険料を負担した者が必要に応じ受給現に困窮している者を公費によって支援
給付定型的、集団的で、一定の基準により自動的に決定非定型的、個別的で、事情に応じて決定
所得制限所得制限なし所得制限あり、生活保護は資産制限もある
財源主に保険料一般財源(租税)
利用者負担応益負担応能負担
受給権の性質保険料の対価(権利性が強い)事前の負担なく賦与される法的権利(相対的に権利性が弱い)
実施主体国、地方公共団体の他に組合など民間主に地方公共団体

障害者総合支援制度は、障害者が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要なサービスその他の支援を総合的に行い、障害者の福祉の増進を図ることなどを目的としています。この制度による各種のサービスについては、厚生労働省ホームページにあるパンフレットをご参照ください。

生命保険と遺族年金はどう違うの?

死亡を給付事由とする点では共通ですが、死亡時に生命保険では事前に決められた受取人に保険金が支払われるのに対し、遺族年金は死亡した人に生計を維持されていた一定範囲の人がいる場合にだけ年金払いされます。

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生命保険と遺族年金は、死亡を給付事由とする点では共通といえます。生命保険は加入者と保険会社の間の契約ですから、法令や公序良俗に反しない限り、様々な事項を両者の合意によって自由に取り決めることが可能です。契約で定めた者が死亡したときに、誰が保険金を受け取るかについても、あらかじめ契約で定めます。
これに対し、社会保障の一環にある公的年金としての遺族年金は、法律で定めた要件に該当する場合のみ、給付が行われます。具体的には、死亡した者によって生計を維持されていた遺族であること、死亡した者に一定以上の保険料の未納がないことなどですが、遺族基礎年金は、支給対象が18歳以下の子(詳しくは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、20歳未満で障害等級の1級又は2級に該当する未婚の子)かそのような子のある配偶者に限られます。
生命保険では一般に保険金は一時金で支払われますが、遺族年金は受給要件に該当しなくなるまで定期的に現金が支給されます。